目地バリシート(L型)はアスファルト舗装とコンクリート境界ブロック等の間に生じるL型目地などから発生する雑草について、障害になったら排除するのではなく、障害にならない(雑草が生えてこない)状態を長期間保ち続けるための技術。
　
　<期待される効果>
　(1)雑草が生えない状態を長期間維持し、雑草繁茂による景観阻害・視界不良要因を除去することで品質・安全性が向上する
　(2)雑草の生長により、引き起こされるアスファルト舗装部の劣化を軽減
　(3)日常管理における除草作業時に発生する交通事故リスクがなく、安全性が向上
　(4)一般廃棄物として処分される雑草の刈草量も削減(10年間のサイクルでは、刈草量90％削減)

　①施工前
　現場の状態(路面や目地の状態、発生雑草の種類など)を確認し、適切な前処理方法・資材を選択する。
　②前処理
　雑草の除去。および根カキ等を用いて、雑草の根や目地部に堆積した土埃を除去する
　③路盤清掃
　刈り取った草の除去、ワイヤーブラシ等で路面上の土埃の除去、清掃を実施
　④路面の処理
　※目地バリセメントは必要に応じて選択する
　・目地が10mm以上開いている場合、チガヤ等の強壮雑草がある場合は目地バリセメント充填をおこなう
　・目地バリセメントは1袋に対し600mL(目安)でよくかき混ぜてから使用する。
　⑤貼付位置だし
　目地中心から路面方向、壁面方向にそれぞれ80mmの位置にチョークでマーキングする。
　⑥墨だし
　数箇所にマーキングした部分に合わせ、ラインを入れる
　⑦プライマー塗布
　施工面の砂埃を除去し、刷毛でL型専用プライマーを均一に塗布する(50g/m)
　プライマーの養生目安 夏季:10分～ 冬季:20分～
　環境条件により時間が異なる為、塗布後指で触り、乾燥しているか確認することが望ましい
　養生が足りないとプライマーに含まれる溶剤が揮発せず、シート接着不良になる場合があるので注意する。
　⑧接着剤塗布
　プライマーが乾燥したのを確認後、L型専用接着剤(黒)を塗布する。
　使用目安120g/m
　⑨アタッチ塗布
　路面および壁面に墨だし位置から10mm内側にアタッチをシーリングする。
　⑩シート貼付
　シート中央の溝に沿って折り曲げ、L型部分にフィットするように貼り付け、シートが浮かないように手で圧着する。
　⑪シート圧着
　ゴム製ハンマーでシートを均一にたたき圧着させる。
　⑫点検/確認
　貼り付け後10～20分後にコーキング剤が付いているが確認を行い、不足部分は追加塗布をおこなう。
　⑬追加処置(シート繋ぎ)
　シートを繋ぐ場合、重ね50mmを取り、アタッチで接着させる。
　⑭追加措置(アタッチ増し)
　路面の不陸が大きく、シートとの間に隙間が生じた場合はアタッチを追加塗布する。
　⑮完成

　<目地バリシート(L型)歩掛(100m分)>
　
　材料費○目地バリシート(L型)【幅15cm×長さ10m　4,800円/巻】 10巻
　　　　○L型専用プライマー　【5㎏/缶　 2325円/㎏】 　 　　　 5㎏　　　　　　　　
　　　　○L型専用接着剤 　【12㎏/缶　1750円/㎏】 12㎏
　　　　○アタッチ 【7m/本 　　700円/本】 20本
　労務費○管理【土木一般世話役】 0.1人
　　　　○シート貼付工(事前プライマー含む)　【普通作業員】 　1.7人
　　　　○仕上げ工　　　　　　　　　　　　　【普通作業員】 　0.2人
　諸雑費(労務費の5%) 1式
　事前除草　　　　　　　　　 【除草工 処分費】　　　　　　　 1式　
　
　以下の資材は、目地部が1cm以上開いていたり、路面の状態が著しく悪い場合に使用。
　○目地バリセメント【2L/袋 1,400円/袋】　　　　平均10袋/100m使用
　 (セメント充填工【普通作業員 0.5人/100m】)

　(1)自然条件
　 ・雨天及び積雪時には施工不可。
　(2)現場条件
　 ・L型目地部分より1m程度の作業スペースを要する
　 ・適用箇所によっては交通規制が必要
　(3)技術提供可能地域
　　・技術提供地域については制限なし
　(4)関係法令等
　　・廃棄物の処理及び清掃に関する法律
　　・道路交通法